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両界伝

 『両界伝』は、「両界曼茶羅」をモチーフにした「胎蔵界」「金剛界」の尊格(仏)たちが、互いにあい入れないものであるがゆえに、不倶戴天の敵として、憎しみ合い、否定し合って、宇宙の原初から戦い続けている物語です。  戦闘あり、揉め事あり、色事あり、勿論、密教、タントラ、ヨーガ、宇宙論、エネルギー論などを作者独自の見解(思い込みともいう・・)で取り入れています。

ご注意

・本作品は密教ファンタジーですが、いかなる宗教神話にも基づいておりません。

・濡れ場がとても苦手な方は覚悟してください。特に男性はご注意を。男X男の場面もありますので。左道ヨーガ(セックスヨーガともいう)を扱っている作品の性質 上表現は露骨ですが、それほど猥褻性はないと・・・(思う(^^;)

・作者の造語を多用していますので、巻之壱・付録の用語集をご参照下さい。

粗筋紹介

 序の条  「オン」という単音が、無色の虚空を展開し、天地のあわいを開き、宇宙の全ての構成物の基音となったこと。これは、少なくとも、その二つの世界においては信じられていたことであった。そして、このことが全ての始まりであった。  宇宙を構成する二つの要素ー  一つを「金剛ビルシャナ」といい、今一つを「胎蔵ビルシャナ」といった・・・。
 巻之壱  八部衆龍王は、天部最強の闘尊である阿修羅に次ぐ機能と功徳の尊格。だが、修行よりも女尊とふざけるほうが好きで、厳格な阿修羅と揉めてばかりいた。一方「金剛界」でも絶世の美女宝生に惑わされた軍総帥阿シュクが部下の諫言も聞き入れずに暴挙を成そうとしていた。
 巻之弐  ー「よくも智拳衆の至宝を砕いたな!」龍王に宝生を倒滅された「金剛界」の怨念の牙が、「胎蔵界」の辺境を引き裂こうとしていた。だが、事の重大さに気付くのが遅かった「胎蔵界」ー表向き平穏に見えたが、その内部には様々な揉め事が隠れていた。そして、「金剛界」にも・・・。
 巻之参  蓮華部院八女尊の白処は、必勝法会で留守の間に鳩槃多が施院に送られてしまったと知って、ある決意をする。戦傷者収容支院『施院』とはいかなるところか。また、新たに東方軍大将となった弁才の実力も明かされていく。そして、外道迦楼羅に恋する北斗七尊破軍の行く末は・・・。各地では壮絶な戦闘が開始された。
 巻之四  八部衆龍王、その偉大なる武功により、八葉院普賢の守護に取り立てられるが、それがまた新たな騒動の元になる。施院を脱出する白処たちに迫る内院の手、また、シャカラにも妙音の魔手が伸びる。阿閦、遂に動く。激闘の合間を縫って語られる修行の両道とは、その秘密がいよいよ語られる。智拳衆の次なる報復目的はどこか。そして、『龍王』・・・
 巻之五  敵地にて一大法会を阿閦に奉呈した辯才は、その勢いで禅定衆蘇婆呼軍と戦闘、一方青頸海では北斗会全軍を毘灑迦と僅かな闘尊らが迎撃する。智拳衆の猛攻に対し、禅定衆は対応しきれていないと、体勢立て直しのため帰城命令が出される。しかし、禅那軍には…。帰城命令実行のために千手軍主副将となった鉤女がし掛けたこととは?
 巻之六  所縁(えにし)ある尊格たちが、次第に集い、ひとつの力となっていく。その一方で、崩壊の一途を辿る禅定衆内院。彼らが事の重大さに気付くのはいつか。また、虎児をからかいつつもかわいがる阿閦の真意は?遂に楼門に迫る智拳衆に、絶対堅牢の胎蔵城は耐え切るのか。いよいよ物語は、佳境に。
 巻之七  物語は終局を迎え、両界の存在意義、そのあるべき姿、そして行く末が明らかに。尊格たちの運命は?果たしていかなる結末を迎えるのか。完結。